中古マンションといってもなるべく新しいほうがいい……
築浅でもデメリットはある?避けた方がいい物件は?
中古マンションを探していると、どうしても「築年数」は気になりますよね。
私も築5年のマンションを見学した時には、その綺麗さに心躍りました。
外観や内装もま新しい状態だし、設備も充実している。
もはや新築!これが私の探していたマンションでは!?
しかし、築浅のマンションは「新しいから安心」とは一概に言えません。
今回は築浅の中古マンションだからこそ注意したい6つのデメリットについて、詳しく紹介します。
築浅中古マンションの注意すべき6つのポイント
築浅でも避けた方がいい物件や、築浅住宅の購入時の注意点もあわせてまとめているのでぜひ参考にしてください。
デメリットを理解した上で、築浅の中古マンションが希望に合っているのか検討してみてください♪
- 2歳の娘を育てるアラサー主婦
- 築13年の中古マンションを3,500万円で購入
- 約110万円でリフォームをし新築同様の暮らしを満喫中
- 2017~2020年の3年間、不動産会社の売買部で勤務経験あり
築浅中古マンションの6つのデメリットとは?
早速ですが、築浅の中古マンションのデメリットは以下の6つです。
不動産会社勤務時代の経験や、築浅マンションを検討していた私の実体験をもとにデメリットをまとめました!
そもそも物件数が少ない
近ごろの新築マンションって、庶民には高すぎませんか?
2021年度に発売された新築マンションの平均価格は、なんと5,115万円!
「本音は新しいほうがいいけど、中古マンションならマイホームが持てるかも!」と考える方も多いのではないでしょうか。
私もそのうちのひとりです
不動産会社で働いていた時にも実感しましたが、中古マンションの中で築浅はダントツで人気が高く、早々に売れます。
不動産会社のウラ事情
築浅の中古マンションを売りに出したいと相談がはいると、社内はお祭り騒ぎ。
営業たちはこぞって「とびっきりの物件が入りました!」と、自分が抱えているお客さんへアプローチをかけます。
ネットに登録すると即座に売れてしまうので、その前に自分の顧客に売ってしまおうという魂胆なんです。
私たちが築浅の物件に出会えるチャンスは低いんです
そもそも築浅の中古マンション自体、売りに出される件数がさほど多くありません。
大半の方は必死の思いで住宅ローンを組んでマンションを購入したはず。
それをものの数年で手放すのはよっぽどの理由がないとできませんよね。
さらに立地条件や価格なども含めると、理想の築浅マンションを見つけるのは難しいといえます。
中古なのに価格が高い
「中古といってもなるべく築浅がいい!」と考える人は多く、中古市場の中でも築浅は価格が高めです。
一般的に築浅であればあるほど、価格も高騰する傾向にあります。
そのことが良くわかる資料がコチラ、築年数別の中古マンションの成約価格を表したグラフです。
築0~5年と、築11~15年のマンションでは数年違うだけで、約1,200万円ほどの価格差があります。
中古マンションの最大の魅力はコスパの良さなのに、築浅だと安さの恩恵を受けにくいことがわかりますよね。
ちなみに我が家が購入したマンションのすぐ隣にも築浅マンションがあるんですが、価格はなんと1000万差……!
お隣のマンション | 我が家が購入したマンション | |
---|---|---|
マンション価格 | 4,500万円 | 3,500万円 |
築年数 | 5年 | 13年 |
駅までの距離 | 徒歩7分 | 徒歩10分 |
間取り | 3LDK | 4LDK |
同じエリアで、約1,000万円も安く住めて大満足です♪
さらには、新築には必要のない仲介手数料や諸経費を合わせると、新築よりも高くつくケースもあり得ます。
参考までに築13年の中古マンションを3,500万円で購入した我が家は
- 仲介手数料約120万円
- その他初期費用約380万円
と、約400万円をお支払しています。
あまりの額に思わず膝から崩れ落ちました
「新築マンションが買えたんじゃない……?」と後悔する前に、マンションは価格だけでなく諸経費も含めての価格で検討するようにしましょう。
値崩れしやすい
マンションの購入価格が高いということは、購入後の値下がりもおおきなデメリットになります。
一般的にマンションの価格は、築10年ごろまでにガクッと下落する傾向にあります。
さきほど紹介したグラフでも、どんどん右肩下がりに下落していましたよね。
築5年以下の築浅であれば、時間の経過とともにまだまだ資産価値が下がっていく可能性が高いということです。
築浅のマンションを売却することになっても、近隣エリアの再開発がすすむといったことがない限り、購入時よりも高く売るのは難しいでしょう。
いずれ売るつもりでマンションを買う場合は、値崩れのしやすさも頭にいれておきましょう。
買ったとき、売ったときの価格差が小さければ小さいほどヨシ!
管理状態の良し悪しが判断しにくい
築年数が浅い=資産価値が高い、
じゃないの?
実はそうじゃないんです!
マンションの資産価値は築年数よりも、立地と管理状態で決まります。
立地は分かりやすいのですが、マンションの管理状態といっても私たちでは見分けがつかないですよね。
管理状態を見極めるひとつの目安として、大規模修繕工事があります。
たとえば築20年あたりのマンションだと、今までの経歴をたどって管理状態を調査できます。
- 大規模修繕工事のための財源をどうやって確保していたか?
- どれくらい財源が残っているか?
- 修繕費の値上げは計画通りに行われているか?
など、マンション管理が正常に機能しているかが判断できます。
一方築年数が浅いと、まだ修繕工事の実績がないので、マンションの管理状態を判断しきれないというデメリットがあります。
築古マンションのほうが、リスクの高いマンションかどうかが見分けられやすいです
設備機器に不具合が出始める
電気で動かすような設備機器の耐用年数は10年が目安です。
築浅で購入しても、住み始めて数年で機器のメンテナンスや交換が必要になります。
10年で寿命を迎える主な設備
- 給湯器
- ガスコンロ
- レンジフード
- 食洗機
- ウォシュレット
- 換気扇
ただし、耐用年数はひとつの目安にすぎません。
実際は10年数を待たずしていきなり壊れることもあります。
給湯器って高いけど、築浅物件ならまだ使える!と思っていても、入居後いきなりお湯が出なくなることも……
たとえば、給湯器の交換は経年よりも実際の燃焼時間が判断ポイントになります。
3,000時間が交換の目安とされていますが、燃焼時間は家族構成や使用頻度によって大きく変わってきます。
前住人がご高齢のご夫婦だったらガスの燃焼時間もそこまで多くないでしょう。
しかし中高生の子どもを持つご家庭なら、お風呂の時間もバラバラで追い炊きをしたり、シャワーの使用時間が長かったりと、給湯器の燃焼時間も長くなります。
購入する際はまだ新しいから大丈夫とは油断せず、設備機器の交換費用を準備しておきましょう。
特に交換すべきかどうか悩ましい給湯器について、別の記事にくわしくまとめています。
前の居住者の住み方次第でリフォームが必要
築浅のメリットといえば、リフォーム費用を抑えられるところ。
大掛かりな修繕工事ではなく、各部屋のハウスクリーニングで済む場合が多いです。
ただし、前の居住者の住み方次第では劣化や故障が進んでいることもあります。
- 壁紙が黄色く汚れている
→室内で喫煙していた
- フローリングに黒カビができている
→布団を直置きして寝ていた
- 畳がボロボロで擦り切れている
→小さなお子さんの遊び場にしてた
- 部屋のあちこちにひっかき傷がある
→ネコチャンと一緒に暮らしていた
家の状態は住んでいる人の人柄が反映されるもの。
我が家は築13年の中古マンションを購入しましたが、お掃除好きの奥さまのおかげでリフォームも必要最低限で抑えられました。
まだ築浅だしと油断せず、見学の際は隅々までチェックするようにしましょう。
前居住者の家族構成やペットの有無なども確認すると安心です
別の記事では築13年の我が家のリフォーム費用をすべて公開しているので、ぜひ参考にしてください。
築浅の中古住宅を購入するときの2つの注意点
築浅のデメリットはわかった!それでも築浅が欲しいのよ!
築浅の中古マンションだからこそ、購入前に注意したい2つのポイントがあります。
「築浅」に安心しすぎないよう気をつけてください!
築浅なのになぜ中古物件に?売却理由をチェックしよう
マイホームのような高い買い物なら、長く住むつもりで分譲マンションを購入する方が多いはず。
築浅なのに売りに出ていたら、売却理由は気になりませんか?
私は築浅に限らず、手放す理由すごく気になります
私が不動産会社で勤務している際に、築浅マンションの売却理由で多かったのはこちらです。
主な理由
- 遠方地への転勤
- 離婚による引っ越し
- 介護のため同居することになった
- 住宅ローンの返済が苦しくなった
多少損をしてでもマンションを売却しようとする背景には、後ろ向きな事情があることが多いです。
我が家の場合は、売主さんの急な転勤が売却理由でした
こんな理由は要注意!築浅でも避けた方がいい物件とは?
ただし、次のような売却理由はいくら築浅と言えど避けるべき物件です。
- 施工不良(雨漏りがする等)
- 近隣住民とのトラブル
- 日当たりや風通しが悪い
- 周辺の騒音問題
こうした理由には、建物や住人、周辺環境自体に問題があります。
せっかく手に入れたマイホームなのに、住み始めてから「こんなハズでは……」と後悔することになりかねません。
売主からの売却理由だけでなく、建物の管理状況や住民マナーは必ず自分の目で確かめるようにしましょう。
こんなところをチェック
- 駐輪場やゴミ置き場が荒れていないか?
- 住民同士、挨拶はあるか?
- エントランスに置かれたソファーがボロボロになっていないか?
- マンション内の掲示板に貼られた書類にクレーム内容はないか?
- 昼間だけでなく夜間の周辺環境(交通量や騒音など)はどうか?
築浅なのに、売り出し中の部屋が多いマンションも怪しい……。
空室が多いというのはそれだけ住みたくない理由が潜んでいます
内装や設備に劣化がないか詳しくチェックする
築浅物件で怖いのは、どこまで劣化や故障が進んでいるのかが素人にはわからないところ。
パッと見た限りは新品のようでも、見えないところで劣化が進んでいることもあるんです。
「住んでみてようやく気付いた」なんてことがないように、不動産会社に「付帯設備表」や「物件状況等報告書」を見せてもらうことをおすすめします。
売却する物件についてくる設備や家具を記載した表です。
売主は設備に不具合がある場合は、細かく明記する必要があります。
売主が売却する物件の「現在の状態」について説明した書類です。
雨漏りや建物の傾きといった不具合があることが分かっていれば、事前に報告する義務があります。
これらの資料を確認すれば、住むことになる部屋の不具合や劣化状況を細かく把握できます。
それでも不安な方は、ホームインスペクション(住宅診断)依頼するのも一つの手です。専門家が第三者の立場で、物件に構造上の欠陥や劣化がないか詳しく調査してくれます。
費用の相場は5~7万円ほど
私もマンションを購入前にホームインスペクションを依頼したいと不動産会社に相談しました。
ただ、費用が高額だったことと業者によって調査内容にバラつきがあると聞いて不安に……
1社だけでなく、複数社で比較したほうがいいと言われて、やる気がなくなりました(小声)
そんなめんどくさがりやの私は、不動産会社へ提携会社のリフォーム業者へ見積もりを依頼しました。
リフォーム業者も住宅のプロ。
第三者の立場として、居室の劣化状況を見てもらおうと考えたのです。
リフォーム業者へは、「設備表」「物件状況等報告書」で記載されている不具合箇所に加え、現地調査をした上で修繕箇所が必要と判断した部分を積もりしてもらうことにしました。
ちなみに、リフォーム業者を不動産業者の提携先に指定したのはいくつか理由があります。
- 不動産会社の担当営業者の顔を立てるため(提携先のリフォーム業者を紹介すると評価があがるそう)
- 物件購入前に他のリフォーム業者へ相談がしにくかったため
- あわよくば、相見積もり用の土台になるかもと考えたため
住宅診断ではないですが、リフォーム業者というプロの目でチェックしてもらえたのが安心でした
中古マンションを購入するなら最低限おさえておきたいポイントは、こちらの記事にくわしくまとめました。
まとめ:築浅といえどリフォームを想定しておこう!
築浅の中古マンションは、中古なのに新築の状態に近いというメリットがあります。
たしかに目に見えるような大きな劣化はあまり見えないかもしれません。
でも一度は人が暮らした物件です。必ずしも劣化や故障がないわけではありません。
メンテナンスが必要かどうかは慎重に調査すべきです。
住宅診断を依頼するのはちょっと高いかな、という方はリフォーム業者に現地調査と見積依頼をしてみましょう。
誠実な業者に依頼すれば、本当にリフォームすべきかどうか、プロの目で判断してもらえますよ。
誠実なリフォーム業者を見つけたい方はこちらの記事でくわしくまとめています。
悪徳業者なんてテレビの中の世界でしょ、なんて思ってましたが、実際に私の実家で150万円もだまされたので、みなさんほんとに気を付けてください……
中古マンション購入後のリフォームの流れや、業者の探し方などはこちらの記事で詳しくまとめています。